ERG理論

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EGR理論とは

人間は誰しも「生存欲求、関係欲求、成長欲求」という3つの根源的な欲求を抱いているとする理論。

 

ERG理論の由来

アメリカの心理学者クレイトン・アルダファーが、マズローの欲求階層説を発展、修正させて提唱させた理論です。つまり、マズローの欲求階層説をベースに打ち出された理論です。

ERG理論とは、3つの欲求の頭文字を示しています。

 

Existence(生存欲求):生きることに対する物質的、生理的欲求。食べ物や住環境などの欲求や賃金、雇用条件、安全な職場環境などに対する欲求。

 

Relatedness(関係欲求):家族や友人、上司、同僚など、重要な人と良好な人間関係を持ちたい、認められたい欲求。

 

Growth(成長欲求):自分が興味を抱く分野で能力を伸ばし成長したい、苦手分野を克服したいという欲求、創造的、生産的でありたいとする欲求。

 

マズローは「欲求階層説」で、5つの欲求が段階的に発生すると唱えました。食べたい、眠りたいなど生命のとしての基本的な欲求(生理的欲求)が満たされると、安全な場所に住みたいという安全欲求、グループに所属したいと望む所属欲求、自分を成長させたいとする成長欲求、自己実現欲求が発生するという具合です。

しかし、この理論は現代のような安定した状況では、必ずしも下位の欲求が満たれたときだけ上位の欲求が生じるという形で段階的に欲求が発生するわけではなく、同時並行的に欲求が現れることもあるとしています。

ERG理論の使いどころ

職場のモチベーションアップに

マズローの欲求階層説のように、欲求が段階をなしているのではなく「3つの欲求は併存できる」とするのがこの理論の特徴です。

 

つまり、関係欲求が満たされていなくても成長欲求を持っている人もいるし、成長欲求よりも関係欲求を大切にする人もいる。どちらかが上でどちらかが下というわけでもないし、順序があるわけでもない。

 

仕事のモチベーションを語る際、「賃金などの労働条件」、「人間関係」、「やりがい」の3つを軸に語られることがあります。このどれかが大きく自分の希望と外れてしまった場合、人はその仕事を辞めることを考えると言われます。

これはまさにERGの3要素に当てはまりますね。

 

このように、人のやる気をあげたければ、この3つのどれかを満たすというよりも、すべてを満たすことが求められるでしょう。

やる気のない人にもやる気はある

仕事をしていると、「この人は何のために働いているんだろう」というような人と出会うことがあります。全くやる気の内容に見える人です。

 

こういう人を見ると、掴みどころの内容に見えますし、やる気なんか持ち合わせていないようにも見えてしまいます。

しかし、ERG理論をポジティブに解釈すると、そんなやる気のなさそうな彼らにも、「生理的欲求」も、「関係欲求」も、「成長欲求」もあるということが言えます。

彼らも3つの根源的な欲求は必ず持ち合わせているのですね。その見え方が人より少し弱いだけで。

やる気のない人でも、その3つのうち、どれかを重要視しているかもしれません。温厚に見えて実は成長したくて日頃から勉強しているかもしれませんし、おとなしいけれど実は認められたくて仕方がないかもしれない。

 

そんな目で彼らを見てみると、新たな発見があるかもしれません。

 

人を育てる人は、相手には3つの欲求があることを信じて接してあげると、うまく成長させてあげられるかもしれませんね。

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